仏リベラシオン——「日本人は餃子が大好き」

     Liberation 7 fevrier 2008(February 7, 2008)
     Les relations sino-nippones intoxiqu?es par des raviolis by Michel Temman


中国—日本の2国間に諍いが起こった。ラビオリを巡ってである。
正確に言えば gyoza は、豚肉と野菜を詰め物にした中国起源のラビオリで、
焼くか(yaki-gyoza)蒸すか(sui-gyoza)して食べる。
日本人は餃子が大好きだ。


日本で先日、中国から輸入された同一メーカーの冷凍餃子を食べた10人が
中毒症状を来し、うち少女1人は重体に陥り、5人が入院した。
政府専門機関と警察の調査機関の調べでは、ラビオリ中に殺虫成分
——メタミドホス——が含まれていた。

ホウレン草の悪夢ふたたび

日本は非常に深刻な問題と受け止めている。
2002年の中国産ホウレン草の汚染騒動以降、日本は安全管理システムを導入してきた。
しかし、何種類もの原材料を使った加工製品にそのシステムを摘要するのは難しい。
昨年12月末、日本の福田康夫首相は4日間の訪中の際、北京で「中日間に
春が訪れる予兆」と述べたが、ラビオリ不安によって冬に逆戻りしたようだ。


2月5日、日本の厚生労働大臣は、ラビオリが明らかに殺虫剤で異臭を放っていた点を挙げて、
真っ向から中国を非難した(まず相手国の商社を、次いで日本の食品輸入企業を)。
中国に対する重大な非難は看過できないもので、北京はすぐさま反論した。


  「調査が終了するまで、結論を早まるべきではない」


楊潔?(よう・けつち、Liu Jianchiao)外相の口調は激しいものだった。
中国当局は、天洋食品の工場を詳しく調べ、殺虫剤のいかなる痕跡も発見されなかったと断言した。


しかし日本では、中毒症状の新たなケースが報告されて、餃子不安は次なる展開を示している。
207人がラビオリによる不調を訴え、保健所への冷凍餃子による健康不安の問い合わせは
950件に上ったのだ。

当店の餃子は Made in Japan です。

アンチ・ラビオリ・パニックは、一気に燃え広がった。
テレビ番組が報じ、主婦はスーパーの棚に並ぶラビオリには見向きもせず、
場末の安食堂のメニューから姿を消した。


旧正月を迎えるために赤い堤灯で飾り立てられた横浜、神戸、長崎の中華街は
パニックの煽りを受けている。
飲食店関係者——中国人、日本人によらず——は、今年の旧正月は観光客が
激減するだろうと予測している。
多くの店では、入り口に張り紙を出した。


  「当店の餃子は日本製です」


東京都心の某楼、自家製餃子で有名な原宿の gyoza レストランには、
客が殺到している。
押し掛けた客が必ず注文するのは、ニンニク gyoza だ。
そしてもちろん、日本人だから白いご飯。

「餃子を蒸したのが水餃子」の記述に、早速読者からツッコミが……


料理ひと口メモ:
sui-gyoza は熱湯で茹でるだけ(sui とは、日本語で“水”のこと)で、
蒸すのではありません(蒸すのは中国料理の shorompo や shumai)……


べつにいいじゃん、そんなこと、と思いました。
餃子だって蒸して食べるしね。
ちなみに自分は、yaki-gyoza は滅多に食べません。
sui-gyoza を酢とラー油だけで食すのが好き。