チャイナフリー、深く静かに進行中


さて、毎日仕事しながら飲んでる、伊藤園「緑の野菜」です。


毎日のことなので全然気にしてなかったのだけど、今日、最初のふた口み口を
ごくごくっと飲んでふとラベルを見ると、「使用原材料の産地表示」があった。
少なくとも、昨年12月の中頃に、同じ伊藤園の季節限定商品「冬の健康野菜」と
一緒に買ったときには、そんなもの表示されていなかったのに。


  参照:いち野菜果汁愛飲者は警告する


12月3日に発売された「冬の健康野菜」は初めから原産地が表示されていたので、
それに合わせてその他の商品のラベルも改訂したのかな、と思います。
在庫が徐々に入れ代わっていって、ひょっとしたら年末年始を挟んで、
在庫を一気に入れ替えるくらいのことは、したかもしれない。
そしたら今頃、旧ラベルの商品が、ドン・キホーテあたりで
安く出回ってるんじゃないか。


でまあ、ご想像の通り、「中国産」はひとつもない。


伊藤園の企業サイトには、こういうページ ↓ がありました。


  「品質管理体制 製品の原料産地について」
  (お問い合わせの多い商品を中心に掲載しております)
  

わが「緑の野菜(20種類の野菜と4種の果実 緑の野菜)」の原料産地も、もちろん見られる。


  「お宅の野菜ジュースは、中国産野菜を使ってんじゃないのか」


というような問い合わせが、けっこう来るんでしょうな、想像だけど。


アメリカでは昨年、どこやらのお店が「チャイナフリー」を謳って問題視されたという
ニュースがあったと記憶していますが、伊藤園のこのやり方は、なかなか賢明と申せましょう。
チャイナフリー」とは一言も言わず、ただ原産地を表示してるだけだもんね。


これが今後、業界標準になったりするのでしょうか。


自分はたまたま伊藤園の商品を毎日飲用しているので、伊藤園の変化に気づいただけで、
そもそも「原産地表示」を始めたメーカーがどこかは知りませんが、どこかがこういうことを
始めたら、ほかのメーカーだって「うちだってチャイナフリーです」と言いたくなるだろうことは
容易に想像できるし、もしあえて表示しなかったら「中国産を使っているのだろう」と勘繰るのが、
消費者心理というものでしょう。


だけど一方、現実問題として、中国産品を一切排除して立ち行くほど、日本の食糧事情は
甘くもないわけで、となると、いままでも同様のことがさんざんあったように、
中国産原材料を使っていながら「チャイナフリー」を偽称するところも、出てくるかもしれない。


考えられるのは、3階層にはっきりと分かれるんじゃないかな、ということですね。
国産原材料のみを使った高い商品、中国以外の外国産原材料も使った普及品、
中国産(あるいは原産地表示のない)原材料を含む安価な商品。


もっとも、いまの流通の仕組みの中で動いている限り、第三国を経由したら、
原産地の特定はむずかしいらしいですけど。


これからは「中国産」がウリになるのは、中国福建省の高級茶葉を使った烏龍茶、
くらいなもんなんですかね。


どっちにしても自分は、ボトリングされて売られている烏龍茶は、買いませんけど。
だけどそれは、「食の安全」がどうこうではなく、中国茶にせよ日本茶にせよ、
お茶っ葉にお湯を注いで自分でいれる方が、安いお茶でもよっぽどおいしいと思っているから。
まあ結局のところ、どこ産かなどに惑わされず、質素であってもおいしいと思えるものを
食べるのが、いちばん「安全」だったりしてね。