ロシアメディア、中国ネット道徳を評して曰く、「愚民の群れ」と

中国インターネット道徳、第三者になじられる——ロシアメディア曰く「愚民の群れ」

     南海網南シナ海ネット) January 23, 2008
     中国網民道徳声討第三者 被俄媒質疑為群氓


以前のロシアメディアにおける中国の報道は、大部分が政治経済に重点を置いていた。
中国ネットユーザーの“八卦生活”(ハッカーライフ)は、これまでなかったほど、
ロシアメディアの関心を引きつけている。
2007年、中国のネット上で“3377”事件が発生した。
ロシア人は中国ネット文化に対する認識を、また新たにしたようだ。


中国インターネット産業の発展スピードには、ロシア人も得るところが多い。
小は各種ケーブルから大はディスプレー、マザーボードまで、中国からロシアへ輸出されている。
ただし“3377”事件に関しては、インターネット上の道徳を逆にロシアから教えられたようだ。
ロシア人はこの事件を、「中国人が探し出した、一種の新しい群集性娯楽」または
「ネット暴力」と呼んでいる。
ロシアのインターネットメディアは、中国の“3377”事件について、
「道徳と倫理」に立ち返って報道している。


この事件は、中国の“33”と名乗る一人の女性ネットユーザーが引き起こした。
彼女は自分の夫を“77”と呼び、彼が前妻と離婚した過程をネット上で披露した。
彼女は夫の前妻を極端に悪毒的な言辞を以て辱め罵り、自分の知るかぎりの
「性愛テクニック」をひけらかした。
そして、中国ネットユーザー間に、“33”のモラルを真っ向からなじる声が渦巻き、
非常に多くのひとが、“3377”夫婦を責め立てた:


  「おまえは自分を美人だと思っているのか?
  平ぺったくてインドの煎餅みたいじゃないか」


中国ネットユーザーの比喩は、皮肉と諷刺に満ちている。
ロシアメディアは、中国のネットユーザーは道徳的大義名分があれば、
公然と当事者を譴責し侮辱すると見ている。


中国ネットユーザーはさらに、道徳的大義名分を以て、“3377”夫婦の電話番号、住所、
身分証番号を暴き出し、これら情報と彼らの写真をネット上に公開して、罵り誹った。
“77”の同僚の女性は、会社に憤怒に駆られたネットユーザーから、
朝から晩まで彼のことを問い質す電話がかかってきたと言う。


「この成り行きは、インターネット文化革命のワンシーンを見せてくれる。
人々はバーチャル空間での出来事をそのまま現実の生活へと走り向かわせ、
激情にまかせて他人の私生活の真ん中にずかずかと踏み込む。
中国のインターネットライフの一大特色と言えるだろう」


ロシアメディアは、中国のネットユーザーは、この夫婦を社会的に抹殺するために、
最も残酷な手段を用いることを惜しまないと述べる。
中国のインターネットの急激な発展は、情報伝達手段をがらりと変えた。
ネット上で公衆輿論は、個人の現実生活に介入する。
これは一種の「娯楽性を備えた群集ムーブメント」と言えよう。


ロシアメディアは自国のネットユーザーにこのように問う。
「この事件にかかわった群集と、フランス革命の群集との間に違いはあるだろうか?」
インターネットの倫理と価値の規範という面で、中国で起こったこの事件が
他山の石になると考えているようだ。

ことば解説

群氓 -qunmeng-:
同質均一な心理意識を持って集合した群集を指す。理性や複雑な思考、提供される多面的な
各種の意見、考え方や信念を拒絶し、分かりやすい極端な意見を選択する。あるいはすべて
を受け入れ、あるいはすべてを拒絶し、それを絶対的真理または絶対的誤謬と看做す。

対象者の携帯電話、自宅、実家、学校、勤め先、場合によっては
配偶者の実家や友人など関係各所に電話をかけまくることを、
2ちゃん用語では「電凸」(デントツ?)と言うらしいです。
なにを以て大義名分とするか、どこまでを“関係者”とするかは、
投稿する人間、電話をかける人間の恣意に任されてもいるらしい。
ロシアでそういうことをやると、相手によっては
非常にキケンなことになりそうですね。


個人的には、“33”がネット上でなじられるのは、自分がそこに参加するか
どうかはともかく、しょうがないかな、と思う。
実際は“33”のブログは一部、他人のブログの引き写しだったらしいですけど。
「人をのろわば穴二つ」ですよ、“33”も、電凸仕掛けるやつもね。
自分自身も穴に落ちる覚悟を持てないなら、やらない方がいいです。