インドと中国——地球の破壊神か、それとも守護神か?

BusinessWeek Posted by: Bruce Nussbaum on January 24

Will India And China Destroy The Planet Through Global Warming--Or Save The Planet By Forcing The West To Reduce Carbon Emissions?


世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)2日目水曜日の夜、
「国際社会におけるインドのこれから」は、素晴らしいディナーだった。
懇談も終盤の午後10時15分頃、だれかがここぞとばかり、インド財務相
ラニアパン・チダンバラムに、フィナンシャル・タイムズの記事について意見を求めた。
その記事は、もしインドと中国が西洋を追って現代化を今後も進めれば、何千万台という
自動車の放出する炭素が、地球の大部分を破壊するほどの大規模な温暖化をもたらすだろう。
両国には早急に、西洋がたどったのとは別な成長の道を見つけ出すことが求められている、
と述べていた。


チダンバラム財務相のリアクションときたら、なんともはや、猛々しいものだった。
彼の言い分はこうだ。


「エネルギー消費と経済成長は不可分の関係にある。インドには成長する権利があり、
エネルギーを消費する権利がある。途上国に対して、西洋以上にエネルギーを使うなと言うのは、
アンフェアだ。インドには、成長の過程でエネルギーを消費し炭素を排出する権利が与えられている。


「インドは、国民1人当たり炭素排出量の上限を西洋のそれ以下に抑えることに同意している。
西洋が排出量を下げれば、インドも下げる。現在のところ、インドの1人当たり炭素排出量は
欧米を下回っている。欧米が強大になろうとする限り、インドは経済成長する」


もちろん、彼の言うことはまったくもって正しい——インドやその他新興国
経済的に成長する権利を持っているし、成長しなくてはならない。
米国、インド、中国、欧州すべての国々の眼前にあるのは、排出炭素を削減したうえで、
みんなが成長する道へと方向転換するためのチャレンジだ。
そしてまさに、大きな経済的チャンスがここにある。
人類は、炭素をめぐる難問から抜け出す方策を発展させることができる。
だれが最初に100mpg カー(燃費性能100マイル/1ガロン)をつくるだろうか?
最初に完全電気自動車を大量生産するだろうか? 電気ジェット機は?
最新の公共輸送システムは? 人的移動を減らす廉価なビデオ会議システムは?


昨年、北米での新車販売台数で、ハイブリッド プリウスがフォード エクスプローラーを抜いた。
これは、人々が目覚めた(少なくとも、ガソリン1ガロン3ドルの現実に目覚めた)というサインだ。
米国カーボンエコノミーがもたらした富と所有権の非民主主義国家への転出は、
経済と最優先外交政策の変容を示している。


西洋は、自分たちがやりもしないことをインドや中国に押しつけてはならない。
そんなことは、彼らだってやりはしない。
できるのは、問題解決に通じる炭素排出量削減へのプレッシャーを与えることだけだ。