ナナリー・トップスの「聖なる煙」——2007年ワイアードニュース

     REUTERS(ロイター)December 30, 2007
     "Holy smoke" in nunnery tops--2007 weird news by Erik Kirschbaum


     (以下本文、音読推奨)


とざいとーざいお立ち合い。
庭師のフリした2人の男がマリファナ畑に変えちゃったギリシャの女子修道院から、
患者に銃をぶっぱなし「さあ、もう痛くないだろう」と威(おど)す南アのお医者さままで、
トンデモニュースで世界があふれた2007年お立ち合い。


3年前に離婚したけどそのまま同棲小さなフラット。スッポンポンでウオッカをあおってテレビを見ていた
前のだんなのちんちんに火をつけちゃったロシアの女性。


チボイ・デーンの新聞に語ってくれた、このだんな。
「まるでタイマツみたいに燃えたのさ。なぜこんなメに遭ったもんだか、俺にはさっぱり分かんねえ」


一方ドイツのおばあちゃん、92歳で大往生。ところがそれから2年の間、息子は彼女と暮らしてた。
お気に入りのひじ掛け椅子に座らせてさ。なんとも奇妙な“部屋の飾り”じゃあるまいか。


同じくドイツのカイゼルスラウステルンでは、死体みたいなにおいがしたって、ほんとに死体とは限らない。
廊下に漂うエライにおいに隣人たちの不満が爆発。通報受けた警官が、死体を見つけ出さんとて、
ドアをこじ開け暗い部屋に踏み込むと……


ベッドに眠る部屋の住人、足がゲキレツ臭かった。
そいつが眠るベッドにしてから、部屋にたまった大量の洗濯物の次に臭かったというよ。


2007年の、多くの哀しい死というは、同時に孤独なものでもあった。例えばザグレブでのように。
ひとりのクロアチア人が、夜のトラムで6時間、ザグレブの町に最期の別れを告げて回った。
座ったシートでひと知れず彼が息をひきとってからドライバーが気づくまで。


ちょっと引いちゃうダイエット法が見出しを飾った2007。それは例えば、こんなふう:


「北京のトイレでペキンダックはもう食べない」
北京では、公衆トイレにくっつけた露店が五輪を前にして、禁止されたという話。
あの衛生状態じゃあねえ……。


こちらは中国江西省、腸の痛みを防止して、からだを強くするために、3匹のカエルとネズミをば、
にじゅうごろくの頃からか丸呑みしてきたおじいさん。66歳だというよ。


エゲレス国のアーチスト、マーク・マッゴワンさんは、死んでしまったコーギー犬の肉で作った肉団子。
病気で死んだコーギーは「とてもヒドイ味だった」。動物虐待へのコーギー(抗議)とや。


世界中の犯罪者も、けったいな見出しで満たしてくれる。
アメリカ合衆国での話。2人のコロラド野郎がさ、ポーカーで負けた6万ドルを帳消しにすべく悪だくみ。
賭けの相手にガラガラヘビをけしかけたとて訴えられた。


「ポーカー賭博にガラガラヘビに、ならず者まで揃った日にゃあ、まるきり“西部劇”だわな」
コロラド州捜査局のランス・クレムはそう言った。
「いったんヘビにかかわれば、ほかのヘビまで絡みつく」


サラエボじゃあ2人組の強盗が、女装で銀行に押し入って、4万ドル奪ってトンズラこいた。
ブルガで人相隠してさあ。
「あたしたちは、ムスリムよ」


ジンバブエでは、クルマの免許を取りに行く、そのためだけにバスを盗んだ1人の男。


ドイツのバスの運転手、ハタチの女性をむりやりバスから降ろした理由は彼女がセクシーすぎたから。
「彼はバスの扉を開けて、あたしに向かって叫んだの」
“バックミラーを見るたびに、きみの谷間にクラクラしちゃう。これじゃあ運転できやしない”


ラパスでは、ボリビア美人コンテスト。女王戴冠そのときに、審査員が気がついた。
「なんと彼女の三つ編みはウィッグじゃないか騙された」。たちまちタイトル剥奪された。


地球の気候変動は、ワイアードニュースへと至る道。


ロシア・サンクトペテルブルク。アメ車ハマーのオーナーが待ち構える活動家たちに
ゴーサインを出した途端、巨大な車体に投げつけられる腐ったタマゴに腐ったトマト。


60歳のドイツ男性、おのが控訴審理にて弁護士たちを茫然自失に陥らす。
法廷で裸になるという、確乎たる信念によって。


物語はハッピーエンド。バンコクから届けられた、このストーリーも違(たが)わない。
76歳のムスリム婦人。彼女は25年前、うっかりバスを間違えて、タイ南部からマレーシア、
半島の反対側までやって来た。道に迷った揚げ句の果ては、異国の乞食として生きる日々。


しかし2007年、彼女はついに家族と再会しましたとさ。メデタシメデタシ。

※ナナリー・トップス:原題のnunnery は「女子修道院」。
冒頭の、女子修道院マリファナを栽培していたという事件に掛けたシャレと考え、
そのまま「ナナリー・トップス(最上質のナナリー)」としました。