マツタケは思い出の中に


中国産。
このところ、なにかと中国産品の安全性が問題になっています。
そのあおりを受けて、中国産のマツタケの売れ行きが芳しくない、
というニュース。


自分もついつい、口に入れるものを買うときに「中国産」の文字を
見ると棚に戻してしまったりしますが、ことマツタケに関しては
「安全性に対する不安」というのは、まったく感じませんね。
なぜって、食わないから。
クスリ漬けだろうが虫だらけだろうが、カンケーない。


「かおりマツタケあじシメジ」とも言われますが、
においがなければ、マツタケじゃない。
中国産、朝鮮産のマツタケって、店頭に並べてる八百屋の前を通っても
ちっともにおわないんですけど。


東京に出てきて、ちょうどマツタケの出回る時期に
アメ横を歩いたことがあって、店頭にこれみよがしにマツタケがどどんっ、
と積んであるのに、店の前まできて現物を目で見るまで、
マツタケを売ってるんだと分からなかった。
国産のマツタケだと、遠くからでも強烈ににおってくるでしょ。
そんなことない?


こどもの頃、近くの山で採ってきたのを食べたことが何度かあります。
自分がこどもの頃は、山はまだ、そんな状態だった。


もちろん、山には持ち主がいて、マツタケの生える場所は
自分の家族にも教えない、とも言われるように
まず持ち主が自分の山のマツタケは採ってっちゃうんだけど
山は「いりあいけん(入会権)」というのがあって、
個人のものであると同時に、地域のものでもある。
持ち主以外の人間が入っていい時期というのも、
たぶん取り決めがあるのだろうけど、
山に入ってうろうろしてたら、たまにオコボレに与るのですね。


いちばん好きな食べ方は、網の上にごろんと転がして焼いて、
ぴーっと裂いてポン酢をちょんちょんとつけて食べるの。
マツタケご飯だと、ご飯の中にマツタケのかけらが入ってる、
という状態で、マツタケのにおいはするけど、
あんまり「マツタケ食ってる」って感じじゃなくて
ありがたみがなかったな。


においのしないマツタケなんて、マツタケじゃないですよ。
だから中国産、朝鮮産は食べない、安全性はカンケーない。
カナダ産もあるそうですが、こちらはかおりは、どうなんですかね。


かといって国産は、これはもう札束を食ってるのとおんなじだから
やっぱり縁はないし。


「かつてマツタケ(国産)を食べたことがある」という思い出の中で
このさき、生きていくのでしょう。


2007年9月15日付mixi日記に若干の変更を加えてあります)




> イメージで敬遠され、安くても売れず…中国産マツタケ苦戦
> (読売新聞 - 09月15日 14:39)
> 秋の味覚の王様、マツタケに異変が起きている。本来、主役は中国産だが、
> 中国の食品に対する不信感が広がる中、売り上げが昨年と比べて半減している
> 店もあれば、北米産などに切り替える百貨店もある。
>
> 「出来は悪くないのに……」と、関係者からは戸惑いの声も聞こえてくる。
>
> 関東など1都7県の生協でつくる「コープネット事業連合」(さいたま市)は、
> 昨年まで中国産マツタケを店舗で販売していたが、今年8月、取りやめた。
> 「中国産品への逆風が強い中で、組合員の需要はほとんどないと判断した」
> という。
>
> 阪急百貨店の「大井食品館」(東京都品川区)では、中国産マツタケの売上高や
> 売上数が昨年の半分以下になっている。今年は8月中旬から店頭に並べ、
> 2〜3本入り(約100グラム)で今週は800〜1050円と、通常より割安なのに、
> 買い物客の反応は鈍い。青果担当者は「マツタケに限らず、中国産の食品に
> ついて安全性を尋ねるお客様が多い」と話す。